セラピストとして長く施術をしていると、こんな経験はありませんか?
「何度もほぐしているのに、全然ゆるまない…」
「一時的にはゆるんでも、またすぐに硬くなる…」
一見、筋疲労が原因のように思えるこの「ほぐれない状態」
でも実は、それ“神経の緊張”が原因”かもしれません。
筋肉は「神経の指令」で動いている
筋肉の緊張やこわばりは、私たちが無意識に行う「力み」だけでなく、
自律神経のバランスによっても左右されます。
特に、ストレスや慢性的な疲労が重なると、
交感神経が優位になりやすく、筋肉は「緊張し続けている状態」になります。
つまり――
交感神経から『こわばれ!』という指令が出ている限り、
どれだけ筋肉をほぐしても、またすぐに戻ってしまうのです。
解決のカギは「副交感神経」をONにすること
こんなときは、“強い圧”ではなく
「心と身体をリラックスさせるアプローチ」が必要です。
副交感神経を優位にするためには、施術にもポイントがあります。
その一つが、
『ゆっくり・やさしく触れる』ということ。
鍵を握る「C触覚線維」という神経
ヒトの身体には、
1秒に5cmの速さで触れられたときに反応する「C触覚線維」という神経があります。
この神経は、なでるようなやさしい刺激に対して
「安心」「心地よさ」といった感覚を引き起こし、
副交感神経を優位にしやすくなると言われています。
たとえば、泣いている赤ちゃんの背中を
お母さんがそっと撫でてあげると、落ち着いて泣き止む。
そんな場面も、このC触覚線維の働きによるものかもしれません。
頑張りすぎない施術こそ、深くゆるむ
「なんとかゆるめたい!」と思うときほど、
つい手に力が入りがちです。
でもそんなときこそ、
“ゆっくり・やさしく”触れてみてください。

強く押すより、
リラックスのスイッチを入れる方が、
身体は素直に応えてくれることがあります。
まとめ
ほぐしても緩まらない…
そんなときは、筋肉だけでなく、お客様の心の状態にもそっと目を向けてみましょう。
心と身体が緩むためには、
“強さ”よりも“やさしさ”が、カギになるのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。